大河「天地人」-二十一回「三成の涙」 ―2009/05/25 00:11

天地人第21回、タイトルは「三成の涙」でしたね。

「三成の涙」・・・なんていう思わせぶりなタイトルだと感想を書かない分けにもいきませんが・・・うーん、何から書いたものか。

冒頭、三成が女性のように華奢で綺麗だった、というような話がありました。
明治40年の朝吹氏・渡辺氏らの三玄院三成墓所遺骨調査で、三成の骨格の華奢な点が指摘されているのは事実ですが、同じ調査で三成が反っ歯だったという結果も出てるのに、それを無視してそういうことをいうのはどうかなあ、と三成贔屓の私でも思います。

当時の調査で調べた骨格が本当に三成のものだったか、ということにも議論の余地はあるようですが、三成が反っ歯だったことは津軽杉山家に伝わる三成画像(杉山画像=ただし三成生前のものではない)や、お父さんの正継画像からも裏付けられるし、石田一族の遺伝的傾向ですら。

まあそうは言っても、当時の肖像画からだけみても、三成のお母さんは美人ですし、お父さんの正継もなかなか良い顔つきしてるので、その子供の三成は、反っ歯はマイナスポイントとしても、そこそこの外見ではあったような気はしますけど。
(何か我ながら上げたり下げたりですね。でも三成が女性のように綺麗だったかは???)

あと三成仕官に絡む有名な逸話、三献茶の伝承も同じく冒頭で紹介されてました。
ただ私は何回か書いているように「三献茶」伝承は虚構と考える一派ですから、そういう点でも私にとっては突っ込みたいところ満載のオープニングでした。


ドラマ中で気になった話としては、一人で寺で暮らしてた三成が、家族の情愛に恵まれず、秀吉夫人の寧々の情愛に触れて涙した、というようなのがあります。
あれはどうかなあ。(三成の子孫の方から相当反発きそうですが)

石田一族は情愛の濃い一族だったと思いますよ。
これについては色んな逸話があります。
三成は母の供養もよくやってるし、父の為に菩提寺建立してるし、両親には孝養尽くしてますね。
父の正継も出家したのは、妻(三成の母:瑞岳院)の死を悼んでのことだ、という話も出るくらいですしね。(これは少し議論の余地ありますが、事実なら妻の死を悼んで出家した人物は、この当時は非常に稀ですね)
なにより関ヶ原・佐和山落城の最期まで一丸となった行動した石田一族は、その結びつきの強さを行動で示してますね。

なのに三成が家族の情愛に恵まれなかった、というのはどうもなあ、という感じですね。

まあ三成と寧の交流について触れてるのは、従来の三成は寧々(=北政所)と対立してたという俗説よりは進んだ解釈だとは思いますが。


貶すばかりではなくて、少し共感したとこを。
前回もありましたけど、小栗三成が「日本全体と言う視点から物事を考えるべき」と妻夫木兼続諭すシーンが何回かありました。
これはある種、三成と言うか、豊臣政権の一貫したポリシーでもありますね。
豊臣政権は国のあり方を変えようとし、その思想はこの国の秩序化と安定化でした。例はいくらでも挙げられますが、そういう政策は三成ら秀吉家中の若手らが担ってたわけですね。
この辺の豊臣政権の思想というか哲学というかは、例えば国内のパワーバランス上で政権維持しようとした足利政権などと大きく違う点と思いますね。


何はともあれ、小栗三成と妻夫木兼続は、今回の回でお互いを認め合う親友になったようですね。
この辺の展開にもちょっとついていけないところがありますけど

コメント

_ ゆうたろう ― 2009/05/25 13:55

大河は見ていませんが(小栗旬好みじゃないもんで……;;)石田家がとても仲の良い家族だったという件に賛成です。

たとえば豊臣家は出世の課程でだんだん家庭内がぎくしゃくしていったり、嶋家でも長男(左近本人?)が父親の後妻とその子供たちを惨殺するような事件があったり、当時の家族について気の重くなるようなエピソードをよく聞く中で、石田家は気持ちいいほど一枚岩なんですよね。

三成を好きな理由に、「幸せな家庭で育っていそうだ」という点をあげてもいいなあと思っています。
なんというか、考え方というか、発想がまず、お人好しなんですよね。能吏とか冷静沈着という評価の割に、人をころっと信じてしまう。相手に自分を丸投げできる。

いい悪いはともかく、こどもの頃大事に育てて貰ったんだろうなあという底抜けの暢気さを感じるのです。

_ SHUN ― 2009/05/31 23:32

ゆうたろうさん、ご無沙汰してます。

石田一族が仲の良い一族だったというのは間違いないだろう、と私も思います。

その手の逸話が多いですね。

正継が出家したのは、妻の死を悼んだためのものだ、というのは長浜城の学芸員の方から聞いた話ですが、そいう逸話が生まれる土壌があったと思いますね。

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